「保証トラブル多発!『10年持ちます』の言葉を信じてはいけない理由」
外壁塗装の営業トークでよく耳にするのが「この塗料なら10年持ちます」という言葉です。一見安心できそうに思えますが、実際にはこの「保証」が原因でトラブルに発展するケースが後を絶ちません。表面的な言葉をうのみにすると、後で泣きを見る可能性があるのです。
■「10年保証」の落とし穴
業者が提示する保証には、次のような曖昧さがあります。
• 対象範囲が不明確
→ 「10年持つ」と言いながら、塗料の劣化は対象外で「ひび割れや剥がれのみ保証」などのケースがある。
• 施工不良のみ保証
→ つまり「塗料そのものの性能」や「自然劣化」は一切保証されない。
• 条件付きで無効になる
→ 定期点検を受けなければ保証が切れる、他社で修繕すれば無効、など細かい条件が多い。
結局、10年保証といっても実際にカバーされる内容は非常に限定的なことが多いのです。
■「保証トラブル」の実例
実際に多い相談例を見てみると――
• 数年で塗膜が剥がれたのに、「自然劣化なので保証対象外」と言われた。
• 雨漏りが発生して相談したが、「塗装工事とは関係ない」と突っぱねられた。
• 保証を頼もうとしたら、すでに業者が倒産していた。
つまり「口約束の保証」は、実際にはほとんど役に立たない場合が多いのです。
■なぜこうしたことが起きるのか?
背景には、外壁塗装業界の特性があります。中小業者が多く、新規参入と廃業が繰り返されるため、10年後も同じ業者が存在しているとは限らないのです。保証期間より業者の存続期間のほうが短いことは珍しくありません。
また「保証あり」とアピールすることで契約を取りやすくなるため、営業段階では大きな数字を強調し、実際の保証内容は細かい条件で制限しているケースが目立ちます。
■正しい保証の見極め方
安心して外壁塗装を任せるには、次のようなポイントを確認することが重要です。
1. 保証内容を文書で確認する
→ 「何が対象で、何が対象外か」を契約書や保証書に明記してもらう。
2. 施工保証と製品保証の違いを理解する
→ 施工保証=工事の不具合に対応、製品保証=塗料メーカーが品質を保証。両方あるのが理想。
3. 業者の経営基盤を見る
→ 長年地域で実績のある会社かどうかをチェック。
4. 口コミや評判を調べる
→ 保証対応に誠実かどうかは、過去の利用者の声で分かる。
■まとめ
「10年保証」という言葉に安心してしまうのは危険です。多くの場合、その保証は制限だらけで、いざという時に役立たない可能性があります。大切なのは「保証があるかどうか」ではなく、「保証の中身が具体的で実行可能かどうか」です。
外壁塗装は住まいを守る大切な工事。甘い言葉を信じるのではなく、冷静に保証内容を確認する姿勢が求められます。
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